【2026年最新】ドローンパイロットが見落としがちなコンプライアンス5選——NOTAM・機体登録・保険まで徹底解説
「許可は取っているから大丈夫」——そう思っていても、実は見落としがちなコンプライアンス項目があります。
ドローンの飛行許可・承認(航空法)を取得していても、それだけでは足りない義務がいくつも存在します。NOTAM(航空情報)の確認義務、機体登録の更新、無線局免許状と操縦ライセンスの違い、保険の補償範囲、そして「今も必要」と誤解されがちな月次報告——。
この記事では、事業者・パイロットが実務でつまずきやすい5つのコンプライアンス項目を整理し、2026年時点の正しい取り扱いを解説します。特にNOTAMについては、「発行手続きは誰がやるのか」「自分で通知書を出していないのにNOTAMが出ていた」という現場で頻出する疑問にも踏み込みます。
各項目では、国土交通省・防衛省・総務省・e-Gov法令検索などの公式情報を確認先として明記しています。検索結果やAI検索で断片的に拾われても誤解されにくいよう、「何が義務で、何が条件付きで、何が既に不要なのか」を分けて整理します。
結論:「飛行許可を取った」で終わりではなく、①飛行のたびのNOTAM確認と(該当時の)発行調整、②3年ごとの機体登録更新、③無線局免許状と操縦ライセンスの区別、④保険の補償範囲確認、⑤廃止済みの月次報告に惑わされないこと——この5点を運用フローに組み込むことが、事故と行政処分を防ぐ最短ルートです。なおNOTAM(航空情報)を実際に作成・発行するのは航空局(航空情報センター)や自衛隊などの管轄機関であり、飛行者は「調整・通知」を行う側、という役割分担を理解しておくことが誤解を防ぐ鍵です。
①NOTAM:「確認」は毎回必須、「発行」は管轄機関が行う——飛行者は調整・通知する側
そもそもNOTAM(ノータム)とは何か——正式名称は「Notice to Air Missions」(旧称:Notice to Airmen)で、日本語では「航空情報」と訳されます。空港の滑走路閉鎖、空域の制限、花火大会、自衛隊の訓練、そして他のドローンの飛行など、その時点で航空機の運航判断に影響する情報を、パイロットや運航者に周知するための仕組みです。
日本国内のNOTAMは国土交通省航空局が運営する航空情報サービス(現行:SWIM Portal、旧AIS JAPAN)で一元的に公開・管理されており、閲覧にはユーザー登録が必要です。
ここで押さえておきたいのは、「飛行許可・承認を取得している=当日必ず飛ばせる」わけではないという点です。
許可・承認はあくまで事前の制度上の判断であるのに対し、NOTAMは当日・当該空域の最新状況を反映する情報であり、両者は別の論点です。
許可を持っていても、当日発行されたNOTAMの内容次第では飛行を見合わせるべきケースがあります。
このNOTAMについては、「確認」と「発行」という2つの手続きがしばしば混同されます。まずは全体像を整理します。
| 区分 | 内容 | 誰が行うか | 必要なケース |
| 確認 | 飛行前に航空情報(NOTAM等)を確認する義務 | 飛行者(自分で確認) | 特定飛行(許可・承認が必要な飛行)は毎回必須 |
| 発行の調整・通知 | 自分の飛行内容を関係機関へ伝え、NOTAM発行のための調整・通知を行う | 飛行者(調整・通知) | 空港等周辺・150m以上の飛行、補助者なし目視外飛行など該当時 |
| NOTAMの作成・発行 | 実際にNOTAMを起案し航空情報として発出する | 航空局(航空情報センター)・自衛隊等の管轄機関 | 上記調整の結果として管轄側が実施 |
飛行前確認の義務は、航空法第132条の86第1項第2号および施行規則第236条の77に基づきます。これを怠ると30万円以下の罰金(同法第157条の9第12号)の対象です。
実務で最も誤解されるポイント:「NOTAMは誰が発行するのか」
NOTAMは飛行者(ドローン事業者)自身が発行するものではありません。
防衛省広報誌(MAMOR-WEB)の取材記事によれば、NOTAMは民間空港を含む国内各飛行場の担当部署が作成し、国土交通省航空局の航空情報センター(AISセンター、成田国際空港内)が一元的に管理・発行しています。
自衛隊管轄空域では、陸・海・空各自衛隊の各飛行場の担当部署が作成し、自衛隊「飛行情報隊」のノータム・センターが内容を審査したうえでAISセンターへ通報し、そこから全国へ発信されます。
つまり飛行者が行うのは「関係機関との事前調整」と「飛行内容の通知」までであり、実際のNOTAMの起案・発出は管轄機関が行います。
そのため、自社で「飛行内容通知書」という書面を地方航空局に提出していなくても、空港事務所や自衛隊基地との事前調整の結果として、管轄側の判断でNOTAMが発行される(=存在する)ことがあります。
飛行を取りやめた際に自衛隊側等関係機関から「NOTAMを取り消して」と連絡が来るのは、その空域のNOTAMを実際に作成・管理しているのが基地側(または航空局側)であることの証左です。
NOTAMの発行手続きが必要になる「2つの系統」
飛行者側で発行のための調整・通知が必要になる代表的なケースは、大きく次の2系統に整理できます。
いずれも最終的にはAISセンター経由でNOTAMが発行されます。
系統A:空港等周辺・150m以上の空域での飛行
航空法上、空港等周辺および地表・水面から150m以上の空域での無人航空機の飛行は原則禁止で、飛行させる場合は空港等設置管理者および空域を管轄する管制機関との事前調整が必要です(管轄が自衛隊・米軍の空域なら、その基地・管制機関との調整が必要)。この系統では、調整結果を踏まえ管轄側(航空局/自衛隊等)がNOTAMを発行します。
系統B:補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行等)
補助者を配置しない目視外飛行で、機上・地上のカメラ等により予定飛行経路上の他の航空機・無人航空機の状況を常時確認できない場合は、審査要領(カテゴリーⅡ飛行)5-4(4)に基づき、飛行する場所を管轄する地方航空局へ「飛行内容通知書」を提出し、航空情報の発行手続きを行います。
特に自衛隊・米軍管轄空域では、飛行者が書面を出さずとも調整の結果として管轄側がNOTAMを出すため、「自分で通知書を提出していないのにNOTAMがあった」という状況が生じます。なお、どの機関が発行主体になるか(自衛隊基地か航空局か)は空域構成・管理主体によって個別に整理され、公式資料に一律の定めはありません。

NOTAM「確認」の具体的なやり方
手順は、
①ユーザー登録(サインアップ→メール認証→本人情報登録)
②サービス利用申込み(デジタルノータムリクエストサービス、標準審査期間は約2週間)
③承認後に確認画面でロケーションコード等を入力してNOTAMを確認
の3ステップです。
審査に約2週間かかる点が実務上のボトルネックなので、早めの登録をおすすめします。
NOTAM「発行」のための調整・通知の具体的なやり方
前述のとおり発行そのものは管轄機関が行うため、飛行者が行うのは「調整」と「通知」です。系統B(補助者なし目視外で他機常時確認不可)では、飛行場所を管轄する地方航空局(東京航空局または大阪航空局の運航課無人航空機係)へ「飛行内容通知書」を提出し、航空情報の発行手続きを依頼します。提出期限は遅くとも飛行を行う日の1開庁日前まで。
様式は「飛行内容通知書」(Excel、こちらからダウンロード)です。
提出先の最新の連絡先は、下記の公式PDF「航空情報発行のための飛行内容通知方法について」でご確認ください。
通知の方式は2つあります。
①従前方式:飛行期間ごとに飛行内容通知書を地方航空局へ提出し、地方航空局から航空情報センターへ発行依頼が行われる方式。
②事前調整方式:地方航空局と飛行内容について事前調整を完了させれば、以降は申請者から24時間対応の航空情報センターへ直接電話で発行依頼ができる方式(地方航空局を介さない)。反復的に同じエリアで飛行する事業者は、事前調整方式にしておくと都度の手続きが簡略化されます。
防衛省管轄(自衛隊基地)の管制圏を含む場合は、飛行内容通知書を提出する前に、まず自衛隊基地に対して飛行の支障有無を確認・調整し、その調整結果を通知書に記載する必要があります。
系統A(空港等周辺・150m以上)でも、まず空港等設置管理者・管轄管制機関との事前調整を行い、その結果を踏まえて管轄側がNOTAMを発行します。
なお、対象防衛関係施設およびその周辺約1000mの上空を飛行する場合は、NOTAM調整とは別に「小型無人機等飛行禁止法」に基づき施設管理者の同意等の手続きが必要になる点にも注意が必要です。
NOTAM「取消」依頼の具体的なやり方
従前方式で発行された場合は、当該ノータム番号を地方航空局へ連絡します。
事前調整方式の場合、個々のノータムの取消は航空情報センターへ、事前調整内容そのものをすべて取り消す場合は地方航空局へ連絡します。
取消期限は公式資料上明確な定めはありませんが、飛行終了・中止後は速やかに連絡するのが前提です。
自衛隊等の管轄機関が主体となって発行したNOTAMについては、その管轄機関からの案内・連絡に従って取消手続きを行うことになります(基地側から取消の連絡が入ることがあります)。
見落としやすいポイント:
NOTAMは発行されている限り、有人機がその付近での飛行を配慮する必要が生じます。
飛ばさなくなった/飛行が終わった場合は、放置せず取消の連絡を入れるところまでが1セットです。
発行主体が管轄側であっても、飛行の中止・終了を関係機関へ速やかに伝えることが運航者の責任です。
正しい順序:
①許可・承認の取得
②(該当する場合)空港等設置管理者・管轄管制機関・自衛隊基地等との事前調整
③(系統Aなら)調整結果に基づき管轄側がNOTAM発行/(系統Bなら)地方航空局へ飛行内容通知書を提出
④当日のDIPS飛行計画通報
⑤飛行直前のNOTAM確認
⑥飛行
⑦飛行終了・中止時の取消連絡
公式ソース・確認先:
- 国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続(空港等周辺・150m以上の事前調整、飛行内容通知書)
- 国土交通省:空港等設置管理者・空域を管轄する機関の連絡先について
- 東京・大阪航空局:航空情報発行のための飛行内容通知方法について(PDF)(発行依頼・取消依頼の宛先・様式・流れ)
- 防衛省:小型無人機等飛行禁止法関係(対象防衛関係施設周辺での飛行手続)
- 国土交通省:飛行計画の通報・飛行日誌の作成
- SWIM Portal(NOTAM確認)
②機体登録の3年更新:「登録したから終わり」ではない
2022年6月20日から、100g以上の無人航空機は国への登録が義務化されました。この登録の有効期間は3年です。
つまり、義務化開始のタイミングで登録した機体は、2025年6月前後に登録更新の期限を迎えています。事前登録期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に登録した機体も同様に3年で満了し、この期間に登録した機体は更新を怠るとリモートID搭載義務の対象になる点にも注意が必要です。

更新手続きはDIPS2.0上で行います。
所有機体一覧の確認
→ 対象機体の選択
→ 本人確認方法の選択
→ 所有者情報の入力
→ 更新申請
という流れです。
更新前後で登録記号は変わりません。
罰則:登録を受けていない(=有効期限が切れた)無人航空機を飛行させた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象になります。これは航空法違反の中でも重い部類に入り、技能証明の取消処分等につながる可能性もあります。
更新日が近づくとDIPS2.0より、更新依頼の通知が登録されているメールアドレスに届くようになっていますが、ご自身でも忘れないようにしておきましょう。
公式ソース・確認先:
- 国土交通省:無人航空機登録ポータルサイト(登録義務化、DIPS2.0での更新、未更新時の飛行不可)
- 国土交通省:無人航空機登録制度(登録更新手続、リモートID、関連資料)
- e-Gov法令検索:航空法(無人航空機登録と罰則の根拠)
③無線局免許状と操縦ライセンス、実は別の制度
「免許を持っているから大丈夫」という言葉には、実は2つの異なる制度が混在していることがあります。
無線局免許状は「機体(無線設備)」に対して交付されるもので、操縦者の技能を証明するものではありません。逆に、操縦者技能証明(いわゆる国家ライセンス、一等・二等)は操縦の技能を証明するものであり、機体の電波利用を許可するものではありません。
この2つは目的も管轄も別物であるため、「無線局免許状があるから操縦資格も持っている」「技能証明があるから電波の免許も不要」という思い込みは事故のもとです。それぞれ独立して確認・管理する必要があります。
| 制度 | 根拠法 | 管轄 | 対象 |
| 無線局免許状 | 電波法 | 総務省(総合通信局) | FPV映像伝送等、無線設備(機体)の電波利用そのもの |
操縦ライセンス | 航空法 | 国土交通省 | 操縦者個人の技能 |

無線局免許はどんな時に必要になるか——「マイクロドローンだから不要」とは限らない
無線局免許の要否は、機体の大きさや重さではなく、使用する周波数帯・送信出力の組み合わせで決まります。ここは誤解しやすい点なので、同じ「2.4GHz帯」でも以下の2タイプがあることを分けて整理します(総務省電波利用ポータルの一覧表に基づく)。
- 免許不要の2.4GHz帯(小電力データ通信システム):市販の小型機・マイクロドローンの大多数が使用するタイプ。送信出力が小さく(10mW/MHz等)、技術基準適合証明(技適マーク)を受けた適合表示無線設備であれば免許不要で使用できます。操縦・画像伝送・データ伝送のいずれにも使われます。
- 免許が必要な2.4GHz帯(無人移動体画像伝送システム):送信出力1Wの高出力タイプで、長距離・高画質の映像伝送を行う産業用途のシステムです。このタイプは無線局免許(開局手続き)と第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要です。
つまり「2.4GHz帯だから全て免許不要」ではなく、使用する無線設備がどちらのタイプかで判断が分かれます。DJI系を含め市販のもともと技適を取得した機体は前者(免許不要)に該当することが多いですが、軍事・点検用等で高出力・長距離の無人移動体画像伝送システムを利用する場合は後者(免許必要)になります。自社機体の送信タイプはメーカーの仕様書で必ず確認してください。
一方、FPV(一人称視点)用の映像伝送でよく使われる5.7GHz帯・5.8GHz帯は、無人移動体画像伝送システムやアマチュア無線の周波数帯にあたり、無線局免許(開局手続き)と、第三級陸上特殊無線技士または第四級アマチュア無線技士以上の無線従事者資格が必要です。マイクロドローンやレース用FPV機であっても、この帯域で映像を飛ばす場合は免許・資格の対象になります。「機体が小さいから」「マイクロドローンだから」という理由だけで無線局免許が不要になるわけではない点に注意してください。
なお、5.8GHz帯はDSRC(ETC等)にも割り当てられており、アマチュア無線で使用できる周波数は5,690~5,810MHzの範囲内でバンドプランで定められた帯域のみです。DSRC与重複する5.8GHz上部帯域などを無知で使用すると電波法違反になります。
一等・二等無人航空機操縦士——できることの違い
操縦者技能証明(国家ライセンス)には「一等」と「二等」があり、できる飛行の範囲が異なります。
| 資格 | できること | 特徴 |
| 一等無人航空機操縦士 | レベル4飛行(有人地帯=第三者上空での補助者なし目視外飛行)が可能 | 機体認証(第一種)や飛行の許可・承認等、レベル4飛行に必要な他の要件も別途満たす必要がある |
| 二等無人航空機操縦士 | レベル4飛行は不可。無人地帯での目視外飛行(レベル3・3.5相当)まで対応 | 特定飛行のうち一部の類型で、国土交通省への個別の許可・承認申請が不要になる(機体認証等、他の条件を満たす場合) |
いずれの資格も、それ単体で「無条件にどこでも飛ばせる」わけではありません。機体認証・保険・飛行許可等の他の要件と組み合わせて、初めて対象の飛行が可能になります。「一等を持っているから審査不要」「二等だから何もしなくていい」という誤解には注意が必要です。
公式ソース・確認先:
- 総務省電波利用ポータル:ドローン等に用いられる無線設備について(無線局免許の有無、周波数帯別(2.4GHz帯2タイプ・5.7GHz帯等)の一覧表、アマチュア無線の扱い)
- 国土交通省:無人航空機操縦者技能証明等(操縦者技能証明の制度)
- 国土交通省:無人航空機レベル4飛行ポータルサイト(一等・二等とレベル4飛行の関係)
- e-Gov法令検索:電波法(無線局免許の根拠)
④保険:「入っているから安心」で終わらせない
ドローン事業者の多くは損害賠償保険に加入していますが、見落としがちなのが補償範囲の確認です。
特に複数の保険契約を切り替えながら運用している場合、以下を必ず確認してください。
- 現在有効な保険はどれか(契約期間の重複・空白がないか)
- その保険が対人・対物のどこまでをカバーするか
- 付保されている機体は何号機までか(新規導入機体が漏れていないか)
- 補償の上限額は案件規模に対して十分か
「保険に入っている」という事実だけで安心せず、証券の内容を定期的に見直し、案件ごとに携行を徹底することが重要です。
参考までに、DROLIENでは保険金額最高15億円の損害賠償保険に加入しており、大型施設や公共性の高い現場での撮影案件でも十分な補償体制のもとで運用しています。
なお、国土交通省は2025年9月10日の掲載情報で、令和7年10月1日以降に新たに飛行許可・承認申請を行う場合、総重量25kg以上の無人航空機について第三者賠償責任保険の加入が必要になること、申請時に保険の記載が必須となること、飛行時には付保状況や有効期間を確認することを案内しています。25kg未満の機体でも、案件規模・飛行場所・第三者リスクに応じて補償範囲を確認しておくべきです。
公式ソース・確認先:
- 国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続(総重量25kg以上の保険加入、飛行許可・承認申請時の注意点)
- 国土交通省:過去情報一覧 2025.09.10掲載(第三者賠償責任保険の加入に関する告知)
⑤月次飛行実績報告は2021年4月に廃止済み——今も「必要」という誤情報に注意
包括許可・承認を取得している事業者の間で、今も「3ヶ月ごとの飛行実績報告が必要」という情報を見かけることがありますが、これは誤りです。
国土交通省は2021年4月1日をもって、包括許可・承認における3ヶ月ごとおよび許可・承認期間終了時の飛行実績報告を不要としました。既に交付されている許可書・承認書に実績報告に関する記載があっても、その記載は適用されません。
制度改正から数年が経過した今でも、古い情報をもとに「報告を忘れていた」と不安になるケースがあります。ただし、現行の国土交通省ページでは、特定飛行時の必須対応として「飛行計画の通報」「飛行日誌の作成」、事故等が発生した場合の「事故等の報告及び救護義務」が整理されています。古い飛行実績報告の様式や過去資料をそのまま運用マニュアルに残している場合は、現行制度に合わせて更新しておきましょう。
公式ソース・確認先:
- 国土交通省:飛行計画の通報・飛行日誌の作成(現行の飛行計画通報・飛行日誌作成)
- 国土交通省:無人航空機の事故等の報告及び負傷者救護義務(事故・重大インシデント等の報告)
- 国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続(特定飛行と飛行実施時に必要な対応)
まとめ:許可の「その先」まで運用に組み込む
航空法の許可・承認を取得することは、ドローン運用のスタートラインに過ぎません。
今回取り上げた5項目は、いずれも「知らなかった」では済まされない法的義務です。
- ①NOTAMは「確認」を毎回、「発行」は該当時のみ調整・通知——ただし実際にNOTAMを発行するのは航空局・自衛隊等の管轄機関で、飛行者は事前調整・通知を行う側。だから通知書を出していなくてもNOTAMが発行されていることがあり、飛行を取りやめたら取消連絡まで
- ②機体登録は3年ごとに更新(怠ると1年以下の懲役または50万円以下の罰金)
- ③無線局免許状(電波法・周波数帯で判断、マイクロドローンでも必要な場合あり)と操縦ライセンス(航空法、一等・二等)は別制度
- ④保険は「入っている」ではなく「範囲・上限・付保機体」を定期確認
- ⑤月次飛行実績報告は2021年4月に廃止済み(誤情報に注意)
属人的な管理に頼らず、飛行前・飛行後のチェックリストや台帳での棚卸しを仕組み化することが、事故と行政処分を防ぐ最も確実な方法です。
※本記事の内容は2026年時点の公開情報(国土交通省・防衛省・e-Gov・標準飛行マニュアル)に基づく一般的な整理です。個別案件の可否判断は、必ず国土交通省航空局および関係機関への最新確認をお願いいたします。
よくある質問:ドローン飛行コンプライアンスの確認ポイント
Q1. ドローンのNOTAMは毎回発行しなければいけませんか?
いいえ。毎回必要なのは特定飛行前の航空情報(NOTAM等)の「確認」です。発行手続きが必要になるのは、空港等周辺・150m以上の飛行や、補助者を配置しない目視外飛行で他機を常時確認できない場合など、該当するケースに限られます。
Q2. NOTAMは自分(飛行者)が発行するのですか?
いいえ。NOTAMを実際に作成・発行するのは、航空局の航空情報センター(AISセンター)や、自衛隊など空域を管轄する機関です。飛行者が行うのは、関係機関との事前調整と飛行内容の通知までです。
Q3. 自分で「飛行内容通知書」を提出していないのに、NOTAMが発行されていました。なぜですか?
空港等周辺・150m以上や自衛隊・米軍管轄空域では、飛行者が書面を出さなくても、空港事務所・基地との事前調整の結果として、管轄機関側の判断でNOTAMが発行されることがあります。発行主体が管轄側のため、飛行を取りやめる際には管轄機関(自衛隊基地等)から取消の連絡が入ることがあります。
Q4. 機体登録の更新期限が切れたら、登録番号は残っていても飛ばせますか?
飛ばせません。国土交通省の登録ポータルでは、登録されていない無人航空機を飛行させることはできないと案内されています。更新手続き中の機体も、手続き完了までは飛行許可・承認申請で機体選択できない場合があります。
Q5. 国家ライセンスを持っていれば、無線局免許は不要ですか?
不要とは限りません。操縦者技能証明は航空法上の操縦技能に関する制度で、無線局免許は電波法上の無線設備利用に関する制度です。5.7GHz帯FPVなど、使用する無線設備によっては総務省の無線局免許や運用調整が必要になります。
Q6. 飛行実績報告は今も毎月または3か月ごとに提出しますか?
いいえ、不要です。国土交通省は2021年4月1日をもって、包括許可・承認における3ヶ月ごとおよび許可・承認期間終了時の定期的な飛行実績報告を不要としました(国土交通省「飛行情報の共有」ページより)。現行制度では、この古い包括許可時代の定期的な飛行実績報告と、現在の飛行日誌作成・事故等報告を混同しないことが重要です。特定飛行では飛行計画の通報と飛行日誌の作成が必要で、事故等が発生した場合は国土交通省への報告と救護義務が発生します。
この記事で参照した主な公式情報
- 国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続
- 国土交通省:空港等設置管理者・空域を管轄する機関の連絡先について
- 国土交通省:飛行計画の通報・飛行日誌の作成
- 国土交通省:無人航空機登録ポータルサイト
- 防衛省:小型無人機等飛行禁止法関係
- 国土交通省:飛行情報の共有(飛行実績報告不要化の公式告知、Web Archive保存版)
- 総務省電波利用ポータル:ドローン等に用いられる無線設備について