東京の河川でドローンは飛ばせる?河川別の規制と許可申請先まとめ
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。飛行前に必ず各管理事務所へ最新情報をご確認ください。
- ✔河川法とドローン飛行の関係(なぜ「河川ごと」にルールが違うのか)
- ✔荒川・多摩川・江戸川・隅田川・神田川・目黒川のドローン規制と問い合わせ先
- ✔東京都が管理する河川(神田川・石神井川等)の窓口一覧
- ✔「航空法の許可」と「河川での飛行許可」が別物である理由
- ✔河川敷で飛行するための実務チェックリスト
- ✔河川空撮で起きやすいトラブルと回避策
1. 結論:河川敷での飛行は「飛ばせるかどうか」ではなく「誰に確認するか」がすべて
河川でのドローン飛行に関して、まず押さえるべき結論はこうです。
河川法自体には、ドローンの飛行を禁止する規定がありません。
しかし、だからといってどこでも自由に飛ばせるわけではありません。
河川管理者(国土交通省や東京都)は、河川の安全管理や利用者保護のために独自のルールを設けることができます。
その結果、河川ごとにドローン飛行の可否や条件が異なるという、やや分かりにくい状態が生まれています。
もう一つ重要なのが、国土交通省航空局の飛行許可・承認(DIPS申請)を持っていても、河川で自由に飛ばせるわけではないということです。
航空法の許可は「空域」に対するもの。一方、河川敷という「場所」を使うには、別途その場所の管理者への確認や届出が必要です。
つまり、河川でドローンを飛ばすには、以下の2つを両方クリアする必要があります。
- 航空法の許可・承認(DID地区、夜間飛行、目視外飛行等に応じて)
- 河川管理者への確認・届出(河川ごとに異なる)
この「二重構造」を理解していないと、許可を取ったつもりで飛ばして法令違反になるリスクがあります。
2. 東京の河川は「誰が管理しているか」で規制が変わる
2-1. 河川の分類と管理者
日本の河川は以下の4種類に分類され、それぞれ管理者が異なります。
| 分類 | 管理者 | 東京都内の主な例 |
|---|---|---|
| 1級河川(国管理区間) | 国土交通大臣 | 荒川、多摩川、江戸川 |
| 1級河川(都管理区間) | 東京都知事 | 神田川、石神井川、隅田川 |
| 2級河川 | 東京都知事 | 目黒川、呑川、立会川 |
| 準用河川・普通河川 | 区市町村長 | 各地域の小規模河川 |
注意すべきは、同じ「荒川」でも区間によって国が管理する部分と都が管理する部分があることです。
飛行場所がどの管理者の管轄に入るかを、まず最初に特定する必要があります。
2-2. 管理機関ごとの問い合わせ先
| 管理機関 | 管理対象 | 窓口 |
|---|---|---|
| 国土交通省 関東地方整備局 | 1級河川の主要区間(荒川下流、多摩川、江戸川等) | 各河川事務所 |
| 東京都 建設局 | 1級河川の都管理区間、2級河川 | 各建設事務所の管理課 |
| 区市町村 | 準用河川、普通河川 | 各自治体の土木課・道路河川課等 |
以下、国土交通省が管理する主要3河川と、東京都が管理する河川に分けて、それぞれの規制内容と連絡先を解説します。

3.【河川別】東京の主要河川のドローン規制
ここからは、東京都内の主要河川について個別にドローン飛行の規制と問い合わせ先を解説します。
東京の河川は国土交通省が管理する河川(荒川・多摩川・江戸川)と、東京都が管理する河川(隅田川・神田川・目黒川等)に分かれます。同じ「東京の河川」でも、管理者が異なればルールも窓口も変わるため、それぞれ確認していきましょう。
3-1. 荒川(荒川下流河川事務所/国管理)──原則禁止
荒川下流域では、ドローン・ラジコン機等の無人航空機の飛行は原則として禁止されています。
荒川下流河川事務所は、事故の危険性を理由に「飛ばさない」と公式サイトで明記しています。
以下は、荒川下流河川事務所が示している公式文章です。
「無人航空機は飛ばさない。
但し、利用目的について公共性が高く、飛行エリアの安全が確保でき、下記の3要件を満たす場合は、飛行することが可能となります。
- 要件1: 航空法第132条で定める飛行の禁止空域においては、飛行について航空法の許可を得ていること。
- 要件2: 航空法第132条の2で定める飛行の方法を守ること。ただし、それによらず飛行させるときは、航空法の承認を受けていること。
- 要件3: 占用地においては占用者、その他においては荒川下流河川事務所の確認を受けていること。
なお、事故や災害時に、国、地方公共団体、警察及びこれらの者から依頼を受けた者が捜索又は救助を行うために無人航空機(ドローン・ラジコン等)を飛行させる場合は適用されません。」
※参照サイト:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000850277.pdf
東京都内の主要河川の中では、最も厳しい規制です。
「公共性」として認められる可能性が高いケース:
国や自治体が実施する災害時の捜索・救助、河川工事の記録、測量・調査・点検等
つまり、一般企業や個人による撮影・空撮目的での飛行は認められにくく、事前確認が必要です。
荒川下流河川事務所
- 所在地:〒115-0042 東京都北区志茂5-41-1
- TEL:03-3902-2311(代表)
- 管轄:荒川下流域(東京都内〜河口部)
- 公式:https://www.ktr.mlit.go.jp/arage/
荒川で撮影したい場合の代替策: 荒川そのものの上空を飛ばすことはできませんが、荒川に面した私有地や施設から、河川方向への撮影が可能なケースもあります。ただし、離発着地が河川区域内に入らないことが前提です。
3-2. 多摩川(京浜河川事務所/国管理)──条件付きで飛行可能
多摩川では、航空法の許可・承認を取得し、国交省のガイドラインを遵守したうえで飛行が可能とされています。
ただし、区間によって管理者が異なり、占用地(公園等)は条例で禁止されている場合がある。
飛行時の条件と注意事項:
- 航空法における必要な許可・承認を取得済みであること
- 国交省の「無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン」の注意事項を遵守すること
- 他の河川利用者(ランナー、サイクリスト、野球チーム等)や近隣住民の安全・騒音に十分配慮すること
- 自治体が管理する占用地(河川敷の公園やグラウンド等)では、別途条例により飛行が禁止されている場合がある
- 多摩川の「生態系保持空間」(緑着色区域)への立ち入りは禁止されており、この区域での離発着は不可
- 「一時使用届」の提出が必要となる場合があること
京浜河川事務所
- 所在地:〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央2-18-1
- TEL:045-503-4000
- 管轄:多摩川、鶴見川、相模川
- 公式:https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/
現場の実態として: 多摩川の河川敷は広いとはいえ、週末はランナーやサイクリスト、少年野球チームなどで非常に混雑します。人口密集地区(DID)に該当するエリアも多いため、「広い河川敷=自由に飛ばせる」とは考えないほうが安全です。飛行時間帯の工夫(早朝)や、平日撮影への変更を検討することをおすすめします。
3-3. 江戸川(江戸川河川事務所/国管理)──飛行場の指定なし
江戸川では、ドローン飛行は「禁止」とはされていませんが、河川管理者が許可した無人航空機飛行場は設置されていません。
江戸川は、荒川下流のように「原則禁止」とは明記していません。一方で、河川管理者が許可した無人航空機飛行場は設置されておらず、飛行にあたっては航空法の飛行ルールを確認したうえで、河川敷内の公園・広場・グラウンド等の施設管理者にも個別確認が必要です。 航空法の規制がそのまま適用されるため、以下のようなケースでは航空局への飛行許可が必要です。
- 人口集中地区(DID地区)の上空での飛行
- 空港等の周辺の上空での飛行
- 150m以上の高さの空域での飛行
また、河川敷内の公園・広場・グラウンドなどを利用する場合は、それぞれの施設管理者(自治体等)の許可も別途必要になります。
江戸川河川事務所
- 所在地:〒278-0005 千葉県野田市宮崎134
- TEL:04-7125-7311
- 管轄:江戸川、利根川の一部
- 公式:https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/
実務上のポイント: 「航空法に基づいた利用を」と記載しつつも、「川の利用案内」では「危険・迷惑行為」の一つとして記載があります。江戸川で飛行を計画する場合は、まず江戸川河川事務所に電話で「○月○日に、○○付近の河川敷で、○○の目的でドローンを飛行させたい」と具体的に伝え、対応方法を確認することが確実です。
3-4. 隅田川(東京都建設局/都管理)──条件設計で対応可能なケースあり

隅田川は荒川水系の一級河川ですが、全区間を東京都が管理しています(国管理ではありません)。岩淵水門から東京湾まで約23.5km、北区・足立区・荒川区・台東区・墨田区・中央区・江東区の7区を流れます。
ドローン飛行に関する明確な「禁止」規定は確認されていません。一方で、歩行者の多さ、テラス幅の狭さ、DID地区であることなどから、通常の河川敷と同じ感覚では飛行計画を立てにくい河川です。
ただし、「隅田川=常に飛行不可」とまでは言い切れません。DROLIENでは、隅田川花火大会を浅草雷門・錦糸町の2拠点から同時撮影した実績があります。
📹 DROLIENの隅田川周辺 空撮実績
重要なのは、河川区域内で安易に離発着するのではなく、目的、離発着点、飛行ルート、安全管理、関係先確認を分けて設計することです。
- 隅田川テラスは歩行者・ランナーが非常に多く、30mの安全距離確保が難しい
- かつ、テラスの幅が狭く、安全な離発着場所の確保が困難
- 浅草・スカイツリー周辺など観光客が多いエリアが含まれる
- 全域がDID地区に該当し、航空法の飛行許可が必要
- 上流部は皇居等の重要施設周辺(小型無人機等飛行禁止法の対象)に近い区間がある
※小型無人機等飛行禁止法に関して、詳しくはDROLIENブログへ
隅田川は区間によって管轄の建設事務所が3つに分かれるため、飛行場所の住所を確認した上で、正しい事務所に問い合わせる必要があります。
隅田川の管轄建設事務所
▼ 第一建設事務所(中央区・千代田区・港区エリア)
- 所在地:〒104-0044 東京都中央区明石町2-4
- TEL:03-3542-1472(管理課)
▼ 第五建設事務所(墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区エリア)
- 所在地:〒124-0023 東京都葛飾区東新小岩1-14-11
- TEL:03-3692-4362(管理課テラス適正化担当)
▼ 第六建設事務所(北区・荒川区・台東区・足立区エリア)
- 所在地:〒120-0036 東京都足立区千住東2-10-10
- TEL:03-3882-1268(管理課テラス適正化担当)
実務上のポイント: 隅田川での空撮は、河川上に機体を出すかどうかだけでなく、どこから離発着するか、誰の敷地を使うか、どの範囲を撮影対象にするかで実現可能性が大きく変わります。川沿いのビル屋上や施設から河川方向に撮影する方法、複数拠点から安全距離を確保して撮影する方法など、案件ごとに設計が必要です。その場合は、河川管理者だけでなく、ビルオーナーや施設管理者の許可も確認します。
また場所により「テラス護岸等1日利用届」の提出や、警察署管轄の水域もあるので、必ず事前に飛行したい場所の管轄者を確認することがポイントです。
3-5. 神田川(東京都第三建設事務所/都管理)──川幅は狭いが設計次第で対応可能なケースあり
神田川は荒川水系の一級河川で、杉並区・中野区・新宿区・文京区・千代田区を流れます。東京都第三建設事務所が管理しています。
神田川固有のドローン禁止規定は確認されていません。ただし、川幅が狭く、住宅や道路が近接する区間が多いため、飛行計画の難易度は高い河川です。DROLIENでも神田川にてチャーター船を手配し、その上からドローンを離発着させて飛行し東京ドームのジャイアンツ開幕戦を撮影した実績があります。
📹 DROLIENの神田川周辺 空撮実績
一方で、場所・時間帯・離発着点・飛行高度を丁寧に設計すれば、街並みや水辺の表現として対応可能なケースもあります。最初から不可と決めつけるのではなく、現地条件と管理者確認をセットで判断するのが実務的です。
- 川幅が狭い区間が多く、両岸の建物や歩行者との30m安全距離の確保が困難
- 住宅密集地を流れるため、騒音や安全面で近隣住民への配慮が必要
- 全域がDID地区に該当
- 一部区間は新宿区・中野区・杉並区等が管理を担っている場合がある
第三建設事務所(神田川管轄)
- 所在地:〒164-0001 東京都中野区中野4-11-19
- TEL:03-3387-5132(代表)
- 管轄河川:神田川、善福寺川、妙正寺川 ほか
- 公式:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/sanken
- ※公式サイトにドローンに関する記述はございませんので、直接建設事務所までお問い合わせのうえ確認をお願いいたします。
実務上のポイント: 神田川沿いでの撮影依頼は、川の上空を直接飛ばす方法だけでなく、沿道の建物、橋梁、近隣施設からの撮影で目的を達成できないかも含めて検討します。上空飛行が必要な場合は、第三建設事務所に早い段階で電話相談し、あわせて離発着地側の管理者確認を行うことが重要です。
3-6. 目黒川(東京都第二建設事務所/都管理)──目黒区内はドローン飛行禁止/桜シーズン以外も規制に注意
目黒川は世田谷区・目黒区・品川区を流れる二級河川です。基本的には「東京都第二建設事務所」が全体を管理していますが、川沿いの護岸や河川管理用通路などの実質的な管理窓口は、各自治体(品川区・目黒区・世田谷区)に分かれているため、飛行エリアごとのルール確認が絶対に欠かせません。
特に目黒区が管理する区域内においては、ドローン撮影が一律で禁止されているため注意が必要です。
① 目黒区管理区域(目黒川)のルール:ドローン飛行は「一律お断り」
目黒区内の目黒川周辺で撮影やイベントを行う場合、目黒区役所への手続きが必要になりますが、区の規定により「河川区域内でのドローンを使っての撮影はお断り」と明記されています。
そのため、中目黒周辺など目黒区に属する目黒川エリアでは、時期を問わずドローンを飛行させることはできません。詳細な規制内容については、目黒区公式ウェブサイト「河川の使用について」をご確認ください。
② 都管理・他区管理区域のルールと注意点
世田谷区や品川区の区域、または都の管轄一域においては、目黒川の一律なドローン禁止規定は確認されていません。しかし、実務上は以下の非常に厳しいハードルが存在します。
桜シーズン(3月中旬〜4月中旬)の禁止・自粛: 中目黒周辺をはじめ目黒川沿いは、桜の時期に極めて多くの歩行者が集中します。目黒区内が禁止であることはもちろん、他区の管理通路等でもこの期間は安全確保のため撮影やイベント自体の許可が下りない(使用できない)ケースがほとんどです。
狭小な空間とDID地区: 目黒川は川幅が狭く、両岸に住宅や店舗が密集しています。全域が「人口集中地区(DID)」に該当するため、航空法に基づく国交省の許可・承認が必須であるほか、第三者や物件との距離(30m)を保つことが極めて困難です。
羽田空港周辺の規制: 品川区の下流域(天王洲アイル方面など)は、羽田空港の「進入表面」や「水平表面」などの航空法による高さ制限エリアに抵触する可能性が高く、別途調整が必要になります。
第二建設事務所(目黒川管轄)
- 所在地:〒140-0011 東京都品川区広町2-1-36 品川区総合庁舎8階
- TEL:03-3774-8182(管理課管理担当)
- TEL:03-3774-8184(管理課占用担当)
- 管轄河川:目黒川、呑川、立会川 ほか
- 公式:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/niken
実務上のポイント: 目黒川の空撮で最も需要が高いのは「桜」ですが、目黒区内(中目黒周辺など主要な桜スポット)でのドローン撮影は不可能であると認識しておきましょう。 仮に世田谷区や品川区の管轄、あるいは河川上空のみの飛行を検討する場合であっても、桜の開花期間中は人流が集中するため、安全面からきわめて慎重な判断(または中止・見直し)が求められます。どうしても目黒川周辺での撮影が必要な場合は、桜シーズンを避け、人通りのない早朝などの時間帯を選んだ上で、関係各所(第二建設事務所・各区の窓口・所轄警察署)へ入念な事前相談を行ってください。
その他の都管理河川の問い合わせ先
上記6河川以外にも、東京都が管理する河川は多数あります。以下は主な建設事務所の連絡先です。
| 建設事務所 | 主な管轄エリア | TEL |
|---|---|---|
| 第一建設事務所 | 中央区・港区・千代田区周辺(隅田川下流等) | 03-3542-1472 |
| 第二建設事務所 | 品川区・目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区(目黒川等) | 03-3774-8182 |
| 第三建設事務所 | 中野区・杉並区・新宿区周辺(神田川等) | 03-3387-5132 |
| 第四建設事務所 | 豊島区・板橋区・北区周辺(石神井川・新河岸川等) | 03-5978-1703 |
| 第五建設事務所 | 墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区(隅田川中流等) | 03-3692-4362 |
| 第六建設事務所 | 北区・荒川区・足立区・台東区(隅田川上流・綾瀬川等) | 03-3882-1268 |
完全な一覧は東京都建設局の公式サイトで確認できます。
問い合わせ時のコツ: 都管理河川について問い合わせる際は、以下の情報をあらかじめ整理しておくとスムーズです。
- 飛行したい河川名と具体的な場所(住所や最寄り駅)
- 飛行の目的(映像撮影、建物点検、測量等)
- 飛行予定の日時
- 航空法の飛行許可の取得状況(包括許可の番号等)
- 機体の種類と重量
「ドローンを飛ばしたいのですが…」と漠然と聞くより、具体的な情報を提示したほうが、管理者側も回答しやすくなります。

4. 河川でドローンを飛ばすための実務チェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、河川でのドローン飛行を計画する際の手順を整理します。
Step 1:飛行場所の管理者を特定する
- 1級河川の国管理区間 → 河川事務所(荒川・多摩川・江戸川)
- 都管理区間 → 建設事務所(隅田川・神田川・目黒川等)
- 区市町村管理 → 各自治体の土木課等
- 河川敷内の公園・グラウンド → 施設管理者(自治体、指定管理者等)
Step 2:河川管理者にドローン飛行の可否を確認する
- 荒川下流のように原則禁止の河川もある
- 電話・メール・問い合わせフォームで事前確認
- 具体的な場所・日時・目的を伝える
Step 3:航空法の飛行許可を取得する
- DID地区、夜間、目視外、人物30m未満等は許可が必要
- 国土交通省のDIPS2.0で電子申請
- 飛行計画の事前登録が必要
Step 4:必要な届出・申請を行う
- 一時使用届やテラス護岸等1日利用届等必要書類を関係機関に提出
- 河川敷内の公園利用 → 施設管理者への許可申請
- 道路からの離発着 → 道路使用許可(所轄警察署)
Step 5:安全対策を講じる
- 補助員(安全監視員)の配置
- 他の利用者への周知(看板設置、声かけ等)
- 強風時の中止基準を事前に決めておく
- 機体保険・賠償責任保険の確認
5. 河川空撮で起きやすいトラブルと回避策
5-1. 「河川敷だから大丈夫」という誤解
河川敷は広いため、つい「許可なしでも飛ばせそう」と思いがちです。しかし前述の通り、荒川下流のように原則禁止の河川もあります。
また、河川敷内の公園やグラウンドは自治体が管理しており、ドローン飛行を条例で禁止しているケースも少なくありません。
回避策: 飛行場所が河川区域内か、占用地(公園・グラウンド等)かを確認し、それぞれの管理者に個別に問い合わせること。
5-2. 河川敷特有の強風リスク
河川敷は建物による風の遮蔽がなく、地上より上空のほうが風速が大幅に強くなることがあります。特に橋の付近では風向きが急変することもあり、都心のビル間飛行とはまた異なるリスクがあります。
回避策: 飛行前に現地で風速を計測し、機体の耐風性能と照合する。撮影は午前中の穏やかな時間帯を狙い、風速基準を超えたら撤退する判断を事前に決めておく。
5-3. 河川利用者とのトラブル
週末の多摩川や荒川の河川敷は、ランナー、サイクリスト、少年野球チーム、バーベキュー利用者などで非常に混雑します。ドローンの飛行音や存在そのものに不安を感じる方も多く、通報されてしまうケースもあります。
回避策: 可能な限り早朝や平日を選択する。補助員を配置し、周囲の利用者に声をかけて飛行中であることを周知する。人が密集するエリアの直上は避け、離発着地点も人通りの少ない場所に設定する。
5-4. 占用地の許可漏れ
河川管理者の確認はしたが、河川敷内にある公園やグラウンドの管理者への確認を忘れるというケースです。河川区域と占用地では管理者が異なるため、片方だけの確認では不十分です。
回避策: 離発着地がどの管理下にあるかを地図上で特定し、河川管理者と施設管理者の両方に確認を取る。

6. よくある質問(FAQ)
Q1. 航空法の飛行許可(DIPS)を持っていれば、河川敷で自由に飛ばせますか?
いいえ。航空法の許可は「空域」に対する許可であり、「場所」の利用許可は別途必要です。河川敷で飛行する場合は、航空法の許可に加えて、河川管理者への確認や届出が求められます。この二重構造を理解していないと、知らずに法令違反となるリスクがあります。
Q2. 荒川で空撮がしたいのですが、本当に方法はないのですか?
荒川下流域(荒川下流河川事務所管轄)では、一般的な撮影目的でのドローン飛行は原則として認められていません。ただし、荒川に面した民有地やビル屋上から河川方向に撮影するアプローチは検討可能です。その場合でも、離発着地が河川区域に入らないことの確認が必要です。
Q3. 多摩川の「一時使用届」はどこに出せばいいですか?
業務目的でのドローン飛行の場合、飛行場所を管轄する京浜河川事務所の出張所に一時使用届を提出します。出張所は複数あるため、飛行予定場所を京浜河川事務所(TEL:045-503-4000)に伝え、管轄の出張所を確認してください。
Q4. 隅田川や神田川で空撮したいのですが、どこに相談すればいいですか?
隅田川・神田川・目黒川などの都管理河川は、東京都建設局の各建設事務所が窓口です。隅田川は区間によって第一・第五・第六建設事務所に分かれるため、撮影場所の住所を確認した上でお問い合わせください。なお、テラスや護岸部分は各区が管理窓口になっている場合もあります。また建設事務所だけではなく、目黒区役所のように一部区役所が管轄している場所もあります。必ず建設事務所に「他に確認すべき関係機関はないか」と事前に確認するか、もしくは区役所に直接確認することがおすすめです。
Q5. 河川でのドローン撮影を業者に依頼する場合、何を確認すればいいですか?
以下の点を確認することをおすすめします。
- 航空法の飛行許可・承認を適切に取得できるか
- 河川管理者への確認・届出の手続きを代行してくれるか
- 賠償責任保険に加入しているか(金額と補償範囲)
- 河川敷での撮影実績があるか
- 悪天候時の中止判断基準や予備日対応があるか
7. まとめ:河川空撮は「場所の特定」と「管理者の確認」から始まる
東京都内の主要河川のドローン規制をまとめると、以下の通りです。
| 河川 | 管理者 | ドローン飛行 |
|---|---|---|
| 荒川(下流) | 荒川下流河川事務所(国) | 原則禁止(公共目的のみ例外)→許可制(公共性・安全性の審査あり) |
| 多摩川 | 京浜河川事務所(国) | 条件付きで可能(航空法遵守+一時使用届) |
| 江戸川 | 江戸川河川事務所(国) | 個別確認が必要 |
| 隅田川 | 第一・第五・第六建設事務所(都) | 個別確認が必要(一部飛行可能なエリアあり) |
| 神田川 | 第三建設事務所(都) | 個別確認が必要(一部飛行可能なエリアあり) |
| 目黒川 | 第二建設事務所(都) | 個別確認が必要(目黒区内は禁止) |
| その他都管理河川 | 各建設事務所(都) | 個別確認が必要 |
河川でのドローン撮影は、航空法の許可だけでなく河川管理者への確認が欠かせません。特に荒川のように原則禁止の河川もあるため、事前の確認を怠ると法令違反となるリスクがあります。
都管理河川(隅田川・神田川・目黒川※一部)については、法律上の明確な禁止規定が確認できない場合でも、川幅の狭さ、人通りの多さ、DID地区であることなどから、通常より慎重な計画が必要です。ただし、DROLIENでは都心部の水辺・河川周辺での撮影実績があり、条件設計によって対応可能なケースもあります。河川上空にこだわらず、沿道の建物や橋梁、近隣施設からの撮影も含めた柔軟なプラン設計が重要になります。
「どの河川なら飛ばせるのか」「自分の案件はどこに相談すればいいのか」——こうした判断を一つ一つ潰していくのが、河川空撮の実務です。
DROLIENでは、東京都心部を含む制限空域でのドローン撮影を数多く手がけてきました。河川での撮影に必要な許可申請の手続きも含め、企画から撮影・納品までワンストップで対応しています。 「荒川は無理だと分かったが、他に良いロケーションはないか」「多摩川で撮りたいが手続きが分からない」といったご相談も歓迎です。飛行可否の判断から、最適な撮影プランのご提案まで、プロの視点でお手伝いします。 まずはお気軽にお問い合わせください。